読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

島村楽器 福岡イムズ店 シマブロ

島村楽器 福岡イムズ店スタッフによるイベント情報やお知らせなどを発信するブログ(シマブロ)です。

硬くて薄いリードとは?リード選びの為に知っておきたい事

こんにちは、福岡店のアカデミック担当、森です。本日は単篳気鳴楽器の命、リードの話です。

さて、リードの番号を「薄い」「厚い」と表現する方がいらっしゃいますが、数字でなくアルファベット表記がS(ソフト)M(ミディアム)H(ハード)であることからも明らかなように、「軟らかい」「硬い」が正解。同じ種類のリードであれば、2も4も同じ厚さなんです。

リードの素材は天然植物、当然均質には作れないため、硬度や曲げに対する強さで材料段階で仕分けしてるんです。したがって、同じ「3番のリード」でも3半に近いものもあれば2半に近いものもあるわけで、リードのばらつきにお悩みの方は、ダダリオのジャズセレクト(1/3刻み)、ゴンザレス(1/4刻み)などを試してみてはいかがでしょうか。
f:id:shima_c_fukuoka:20160522193005j:plain

リードの素材はケーン(葦)です。太い材料は大きな楽器、細い材料は小さな楽器のリードになります。また、植物の成長点は先端にあり、上へ上へと伸びていきますので、先端部の節は柔らかく、根本付近の節は繊維が詰まっており固いです。ケーンはみな同じように成長するわけではないので、太くて若い節、細くて古い節、といったように材料段階でバラつきが出てしまいます。また、まったく同じ太さにそろえることは出来ないし、そもそも断面も真円ではないので、同じように削ろうと思っても多少のばらつきは出てしまうのです。

ところで、ダダリオのレゼルブというリードは、なんと原材料には根本の2節のみを使用しているそうです。カットも正確でバラつきが少ないと評判ですよ。ちょっとお高いですが・・・一箱買って使えるのは1,2枚あればよいほう、という方はこちらのほうがお得かも知れませんね。
f:id:shima_c_fukuoka:20160522192144j:plain
また、最近はレジェールをはじめ、プロ奏者が本番で使用できるほどのクオリティを持った樹脂リードも出てきました。バラつきが無く、水を吸わないので吹き始めからあまり吹き心地に変化がないのが良いですね。
f:id:shima_c_fukuoka:20160522192322j:plain

ところで、「薄い」「厚い」リードもあるんです。例えば、皆さんに人気のバンドーレン社の場合、次のように各部の厚みが異なるリードがラインナップされています。
f:id:shima_c_fukuoka:20160522192148j:plain
f:id:shima_c_fukuoka:20160522192155j:plain

大雑把に言うと、薄いリードは明るく澄んだ音色を持ち、厚いリードは豊かでふくよかな音色。ティップは、薄いほど柔らかい音色で音の立ち上がりが良くpが出しやすくなり、厚いほどしっかりした音になり大きな音が出ます。

もうひとつ、リードに入った等高線にもご注目を。青箱はリードの中央部分(ハート)が非常に厚くティップが非常に薄い、コシがあって先端部がセンシティブに反応するカットです。レスポンスがよく、音色を安定させやすいリードといえるでしょう。それに対して、JAVAはハートが薄く先端部は厚く出来ています。リードが震える部分(パレット)が広く柔軟性に富むカットです。よくジャズ向けといわれるのは、タンギングで細かいニュアンスをつけたりサブトーンを出しやすいからかもしれません。もちろん自分の奏法に合えば吹奏楽で使ったって構いません。

お店で修理をしていて、よく「ピッチが合わない」というご相談を受けますが、特にクラリネットでは口の周りの筋肉が弱いうちから無理に固いリードを使って噛み癖が付いている方、チューニングの方法が間違っている方がほとんどです。練習していて下唇が切れてしまうという方は、歯並びが普通であればおそらく噛み過ぎです。普段使っているリードをつけたマウスピースだけで音を出してみてください(チューナーで正確に測る必要はありません)。実音Bb、Hが出ればOK、Cisは高すぎ、Cは要注意です。

つぎにチューニングについて。オケではAに合わせますが、これは楽器の都合。彼らは押せずに開放で調したいのですが、VnもVaもVcもCbもAのを持っているからです。ブラスバンド吹奏楽ではBbに合わせますが、これはピストンを押さない状態で出す音で合わせたい金管楽器の都合なんです。木管はどうしてもピッチが不安定な音がありますから、例えばテナーサックスなんかは、すごく低くなる中音のドでチューニングをまじめにやると、ほかの音が全部高いという悲惨な状態になるわけです。

チューニングの音だけあってもしょうがないので、全体的にピッチが合う抜き代を見つけましょう。幸いクラリネットは抜けるところがたくさんあります。まず、チューニングのBbではなく開放のソが合うようにタルを抜きます。次にラ、シbとあがって、高い場合はもう少し抜きます。次にミ、レ、と降りて高ければ上-下管の間を抜きます。低ければソ、ラ、を高めに吹けば合う程度までタルを入れます。最後にレジスターキィを押さえたド(チューニングBb)を吹いて、高ければベルを少し抜きます。オクターブ下のド、上のドを吹いて、どうしても合わない場合はそれぞれの抜き代を微調整、で完了です。

マウスピースのピッチに問題が無く、この手順でチューニングしても特定の音のピッチが極端に下がる、高音のピッチが上がらないという方、調整の狂いや音孔内部の汚れが原因かもしれませんので、リペアマンにチェックしてもらいましょう。
fukuoka.shimablo.com


「硬いリードでないと良い音色が出ない」なんて事はありません。「良い音色」を出すのはリードでなく演奏者です。さらに言えば「音色」は音楽を構成するさまざまな要素の中のひとつでしかありません。いくら美声の持ち主でも、言葉や文法を無視してでたらめに話しても相手には伝わらないし、音痴だと誰も歌を聞いてくれませんよね。
さまざまなアーティキュレーションダイナミクス、ピッチや音色のコントロールができるよう、「吹き易い」カット・硬さのリードを選ぶのが良い音楽への早道と心得ましょう。

もっとみる

© Shimamura Music All rights reserved.