島村楽器 福岡イムズ店 シマブロ

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クラリネットの割れ修理

こんにちは。管楽器リペアの樋口です。


最近暑い日が続きますねーー

私は休日はよく子供と公園に行くのですが、この時期の公園は親にとってキツイ‥
暑くて毎回死にそうです(; ̄д ̄)↓↓

暑さ限界の時に涼みに行くとこと言えば、、ココ!! そうホームセンター(^^♪


涼しいのはもちろん、何といっても工具がたくさんあるから~

あっこれ何かに使える♪と思ったらすぐに自腹で買っちゃいます(笑)
無駄にドライバーも何本も持ってます。
グリップ具合とか?色々とね、微妙な差がね、、あるんです!
職場で刃の微妙な角度を調整したりしてます。


もう職業病ですね(笑

私が時間を忘れて子供が暇するので、泣く泣く退散しますがーー






私のどーでもいい話は終わりにします(笑)

今回はクラリネットの割れのお話しをします!!

冬にクラリネットが割れるという話を聞いたことがあると思います。
実は夏でもクラリネットは割れるんですよ!

まずはこれをご覧ください。
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上管のトリルCキィからトリルB♭キィにかけて割れています。
こちらは梅雨時期に割れてしまった楽器です。



そもそもなぜ割れるのか??

割れの原因はズバリ急激な温度(湿度)変化です!!!

クラリネットの木は基本的に高温多湿の時に膨張します。(管内)

そして低温乾燥している時に収縮します。(管外)


そして急激な温度変化が起こり、この膨張と収縮に耐えられなくなった時‥割れるんです‥‥


では冬と夏の温度変化とはどういう状況なのかをご説明します!

➡管内は息を入れることで温かく湿った状態。しかし管体外は温度が低く冷たい。
  つまり高温(多湿)⇔冷温の急激な温度変化で割れる。

次は夏!夏場は割れることないから大丈夫と思っていると‥
気づけば大変なことになることもありますよ‥
そして、夏場は間違ったお手入れをしている方が非常に多い(汗;)



➡管内は息を入れることで温かく湿った状態。そして部屋の中はクーラーや扇風機を強にして
                    回す。これは普通にあることだと思いますがーー
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《あっ今日は楽器からたくさん水分出てきたーーー急いで乾かしたいーー。時間かかるのは
嫌だし湿気が溜まるといけないって先輩言ってたし? そうだ!クーラーの下に置いてケースぱかっと開けて乾かそうっとー♪》
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ちょっと待ったーー!!!

これはダメです!


なぜダメかと言うと‥クラリネットは乾燥にも弱いんです。
クーラーや扇風機の風を直接当てたらダメです。


湿気(多湿)⇔乾燥
  この急激な変化でも割れるので十分に注意してください。




夏も冬も共通して言えることは、

こまめにスワブを通すこと!!!! そう、必要以上に‥

お気づきの方もいると思いますが、多湿は大敵です。

つまり、管内の中に水分を溜めないことです。


《ちゃんとこまめにスワブは通してるし私あんまり普段水分なんて出ない方だから割れなんて絶対大丈夫~♪

っっっっっと思っていたのにギャー!!!!

割れちゃったーー∑( ̄Д ̄)‥どうしよ‥なんで??ちゃんとお手入れしてたのに。。。。。》



どこが悪かったのでしょう?

その答えは実はスワブにあったんです。

そう!スワブが汚れていたんです!!
汚れているスワブで水分なんて吸えんよーーーー

おまけにトーンホールにスワブ汚れが溜まりますょーー


ということでスワブは定期的に洗いましょう🎶

綿素材の他にも吸水性が高い素材のスワブも販売されているので是非使ってみてください。





前置きが長くなりました(スイマセン‥)


実際に割れの修理過程をお見せします!

まずは管体表面や管体裏側の割れのチェック。トーンホールのチェック。

どこまで割れているか?割れの深さはどれくらいか?トーンホールは割れているか?

チェックの結果、割れの様子を見るために数日を要し、修正の仕方を考える場合もあります。。。



今回の楽器はトーンホールまでは割れていませんでした。

それでは実際に作業に入ります。

①割れの表面を専用の工具で削り、溝を作ります。

クラリネットと同じグラナディラ材の粉を割れ部分に丁寧に埋めて、接着剤を流します。
粉は盛り上がるまでたっぷりと埋めて固めていきます。そして十分に乾かします。
f:id:shima_c_fukuoka:20160705150827j:plainf:id:shima_c_fukuoka:20160705150908j:plainf:id:shima_c_fukuoka:20160705150849j:plain→これはまだ接着剤を流してない状態。粉盛りのみ。

ここからが技術者の腕の見せ所です!!

③粉を盛って固めた部分を専用の工具で削ります。


管体の個体の木目と同化するようにヤスリをかけてサンドペーパーで凹凸をなくしていきます。

⑤最後にボアオイルや特殊なロウを塗って綺麗に仕上げます。




修正前の(お預かり時)写真がこちら→f:id:shima_c_fukuoka:20160705153431j:plain
修正後の写真はこちら→f:id:shima_c_fukuoka:20160705150921j:plain


割れが酷い場合はピンを打ちをしたり、トーンホールの交換をします。
割れは早いうちに修正した方が絶対にいいです‥


まずは日頃から自分の楽器をよく観察する癖をつけることですね^^
そうすれば早めに割れに気づくことができるでしょう。

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